カナダ最古の企業Hudson’s Bay全96店舗閉鎖の可能性。完全清算は早ければ火曜日から

   
  

1670年に設立され、カナダ最古の企業と呼ばれる百貨店チェーン Hudson’s Bay Company (HBC)

先日には、消費者支出の低迷やカナダと米国の貿易摩擦、パンデミック後のダウンタウンの店舗来店者数の減少により財政難に苦しんでいることがニュースになっていましたが、追加資金を確保できない場合、今週後半に国内96店舗の在庫約4億1,500万ドルを含む全事業の清算が提案されていることが明らかになりました。

裁判所が清算を承認した場合、清算は早ければ3月18日(火)から始まり、最長12週間続く可能性があります。 清算はHudson’s Bay全80店舗に加え、ライセンス契約を通じて同社が所有するカナダ国内の Saks Fifth Avenueの3店舗とSaks OFF 5THの13店舗に及びます。

同社が在庫処分で十分な資金が確保できれば、一部の店舗を清算手続きから外すことができる見込みが立てられています。

Hudson’s Bayは法廷文書で、「申請者は事業継続を可能にする再編の解決策がまだ見つかるかもしれないと希望を抱いているが、申請者が確保できる唯一の暫定的な資金調達には、即時の在庫清算が必要だ」と述べています。土壇場で救いの手が見つからない限り、完全清算が最も可能性の高いといわれています。

また、Hudson’s Bayと Saks Fifth Avenueと Saks OFF 5THで雇用されている約9,000人の従業員の大半は、同社が清算段階に入った場合、解雇される可能性があります。従業員の代理人であるアンドリュー・ハトネイ弁護士は、「Hudson’s Bayの閉鎖はシアーズ・カナダが倒産して以来、国内で最大規模の大量解雇となる」と指摘し、清算に反対しています。

さらに、同弁護士は、裁判所に売却を1週間延期するよう求めており、顧客が殺到して在庫をすべて買い占めると、Hudson’s Bayには前進する選択肢がほとんどなくなり、事業が終了すると語っています。

Hudson’s Bayはオンタリオ州に32の拠点があり、全従業員の半数以上が働いているため、オンタリオ州が最も大きな打撃を受けることが予想されています。ブリティッシュコロンビア州には16の拠点、アルバータ州とケベック州にはそれぞれ13の拠点、マニトバ州、ノバスコシア州、サスカチュワン州には各州2の拠点があります。

Hudson’s Bayといえば、2010年のバンクーバー冬季オリンピックでは、HBCがデザインした「レッドミトン(赤い手袋)」が大ヒットし、オリンピックの象徴的なアイテムとなったことも記憶に新しいです。

また、カナダの象徴的なデザインのひとつともいえる、Hudson’s Bayの緑・赤・黄・青の4色の太いストライプを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?(カナダのお土産としても人気)

カナダの歴史に深く関わっているHudson’s Bay。今後に関しては、また続報が入り次第、お伝えします。

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