カナダ連邦政府は2020年12月30日に、1月7日から5歳以上の人が空路でカナダに入国する際は、出国前72時間以内の検査証明の提出を求めることを発表。陰性であってもカナダ到着後14日間の隔離期間もあります。
そんな中、「近いうち、カナダに留学する予定なんだけどな・・・」「エッセンシャルな理由があり日本に一時帰国中だが、そろそろカナダに戻らないといけない」という方も中にはいるのではないでしょうか?
そこで今回は、日本で海外渡航目的のPCR検査が受けられるところと、その費用がどのくらいになるのか調べる方法をお伝えします。
目次
はじめに:そもそもPCR検査って何?
まず最初にPCR検査がどんなものかを簡単にですが、お伝えします。
先日こちらの記事でも紹介しましたが、PCRとはポリメラーゼ連鎖反応(polymerase chain reaction)のことで、DNAサンプルの中から特定の領域を数百万〜数十億倍に増幅させる反応or技術のことを指します。これにより、少量のDNAサンプルでも感染症診断できるまでに十分な量まで増やすことができるんですね。
新型コロナウイルスの検査では主に患者の鼻や喉の粘膜を採取して、新型コロナウイルスの特定の遺伝子が見つかるかどうかを確かめます。
また、2020年7月からは症状が発症しているor無症状の場合でも、日本では唾液でのPCR検査も可能です。
photo from 厚生労働省
新型コロナウイルス感染症を診断するためのPCR検査等については、医師が必要と判断した場合に、帰国者・接触者外来等都道府県等が指定する医療機関で実施されており、一部地域では地域外来・検査センターが設置され、集中的に検査が実施されています。
photo from 厚⽣労働省
これらの機関においてPCR検査等を実施した場合は、初診料等の自己負担分はあるものの、検査費用の自己負担はかかりません。
ただ、海外渡航を目的にPCR検査等を受ける場合は自費になるので注意してください。
【どこで検査が受けられるの?検査費用はどのくらい?】ビジネスや留学を含む海外渡航者の方向け。渡航先国の要求等に応じた新型コロナウイルス感染症の検査が可能な医療機関を検索・予約できるサービス「TeCOT」
photo from tecot.go.jp
経済産業省では厚生労働省と連携して、ビジネスや留学を含む海外渡航者向けに、渡航先国の要求等に応じた新型コロナウイルス感染症の陰性検査が可能な医療機関を検索・予約できる無償サービス「海外渡航者新型コロナウイルス検査センター(通称TeCOT)」の運営をスタートしました。
TeCOTでは、渡航先の国ごとに定められた検査要件とそれに対応する検査が可能な医療機関の情報を検索・比較、そしてスムーズにオンライン予約が可能です。(TeCOTの利用が必須ではありませんが、検査予約のスムーズさがメリット。もちろんカナダ以外の国に行く場合でも使えます。)
利用するには、まずウェブサイトからIDの登録が必要で、ID登録では「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」「生年月日」を入力する必要があります。(IDは原則として即日発行)
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利用の流れは以下のような感じ。今回は例として広島県在住者がカナダ留学目的で検索するという想定で実際に使ってみました。
1.新規予約登録
photo from TeCOT
TeCOTにログイン後、新規予約登録画面で渡航情報を入力してください。
今回はカナダ留学目的なので、渡航目的の欄は「ビジネス以外」になっています。
2.渡航先に対応する検査手法が分かる
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次のページにいくと、カナダが対応している検査方法が出てくるので、確認してください。LifeVancouverスタッフが調べたときは「PCR検査」のみ△のマークが付いていました。
3.対応している医療機関を検索
photo from TeCOT
その後、試しに 「PCR検査(リアルタイム方式)唾液」「広島県」「電話予約」で検索してみると、4件ヒットしました。
おおまかな場所や費用、そして最短での証明書発行日数が記されていて、便利です。
医療機関はそれぞれ個別に検査料金等を設定しているため費用はバラバラですが、LifeVancouverスタッフが調べた中ではだいたい2万~5万円ぐらいが相場と感じました。参考になれば幸いです。
●体調不良時、受診時の呼びかけ
新型コロナの感染者が地域によっては急増しています。
発熱・倦怠感など、体調がいつもと違うと感じた時は外出を控えましょう!
また、受診の際は、事前にかかりつけ医など身近な医療機関にまずは電話相談するようお願いします! pic.twitter.com/CJd5lcJ6OX— 厚生労働省 (@MHLWitter) January 12, 2021
ちなみに厚生労働省のウェブサイトには「自費検査を提供する検査機関一覧」ページもあるので、「TeCOTを利用する方がめんどうかも」という方はこちらをチェックしてみてください。
都道府県別に分けられていて、PDF または EXCELファイルで一覧を見ることができますよ。
最後に:【カナダに入国するには出国前72時間以内の陰性の証明が必要】カナダ側が指定する内容を確認
最後に、カナダ入国に際し必要なことをおさらいしましょう。
■ 検査証明は出国前72時間以内のものが対象
また、AirCanadaの「COVID-19 Testing」のページを見ると、陰性の証明には以下の項目が必要となります。
・誕生日
・検査を受けたラボ/診療所/施設の名前と住所
・検査を受けた日付
・検査結果が陰性(または「検出されない」)と示されていること
・受けた検査方法 (PCR、NAT / NAATまたはLAMP)
※注意:カナダ政府のこちらのニュースリリースにはPCR or LAMP の2種類が対象で、NAT / NAATは含まれていませんでした
また、AirCanadaのウェブサイトには検査証明は紙でもデータでも構わないと記されています。(渡航予定の方はご利用の航空会社のウェブサイトで念のため確認してみてください)
しかし搭乗前に陰性の検査結果がない場合は、特に免除されない限りカナダ行きのフライトに搭乗することはできないので注意してください。
#ICYMI: Starting January 7, 2021, passengers five years of age or older will be required to test negative for #COVID19 before flying to Canada. Learn more: https://t.co/HHVGQXskCe
— Transport Canada (@Transport_gc) January 6, 2021
ということで、カナダ到着後も14日の隔離もありますが、これからカナダに渡航予定の方は出国前72時間以内の検査証明を忘れないようにしてくださいね。