カナダといえばアイスホッケー!
そして、バンクーバーの大人気チームといえばVancouver Canucks(バンクーバー・カナックス)ですよね!!
photo from Vancouver Canucks Facebook
カナックスに限らずNHL(ナショナルホッケーリーグ)のアイスホッケーチームはチャリティ、社会貢献、恵まれない子供達のサポートなど様々な活動をしています。
その活動の一つでNHLが今月1ヶ月かけて取り組んでいるのがLGBTQサポートプロジェクトなのです。
We're ready for #HockeyIsForEveryone Night at the United Center! #YouCanPlay pic.twitter.com/1eFHIR6d8R
— Chicago Blackhawks (@NHLBlackhawks) February 18, 2017
今回は、2013年からNHLがオフィシャルパートナーとして積極的にサポートしているプロジェクト「YOU CAN PLAY」について取り上げます。
L→レズビアン
G→ゲイ
B→バイセクシャル
T→トランスジェンダー
Q→クィア or クエスチョニング
(LGBTのどれにも当てはまらない。または性的指向が未確定な人)
プロジェクトの背景にあった悲しい出来事
このプロジェクトは2010年に21歳の若さで事故で命を落としたBrenden Burke(ブレンデン・バーク)の死が発端でした。
photo from YOU CAN PLAY WIKIPEDIA(スタンレーカップと共に微笑む 故・ブランデン・バーク)
ブレンデンは、AHL(アメリカンホッケーリーグ)でプレイし、バンクーバー・カナックス、アナハイム・ダックス、トロント・メープルリーフスのGM(ジェネラルマネージャー)を務めたBrian Burke(ブライアン・バーク)を父に持ち、そしてNHLのスカウトをしていたPatrick Burke(パトリック・バーク)を兄に持つ「アイスホッケーファミリー」に育ちました。
photo from PuckBuddys
(最上段左・ブレンデンとマイアミ大アイスホッケーチームの仲間達)
自身もホッケーへの思いは強く、当時マイアミ大学のアイスホッケーチームでマネージャーとしてチームに携わっていました。
自分の中に渦巻く感情
高校の始め頃、自分はゲイではないか?と思い始めたブレンデン。
初めのうちは「It’s not true(そんなはずない)」と湧き上がる自分の感情を抑えていましたが、日に日にその感情は大きくなり家族に打ち明ける決意をしたのでした。
カミングアウト、家族そして父の反応は?
彼が最初に打ち明けたのは姉のケイティでした。ケイティは彼の気持ちを理解しサポートすると言ってくれました。その夜、妹のモーリーと母に、2日後に兄のパトリックに打ち明け、、、そして、父に話す時がやってきました。
ブランデンは父と家族の前でこう言い放ちました。
(みんな愛してるよ。ずっと言いたかったんだけど僕ゲイなんだ)
その時の事をブランデンとお父さんのブライアンがTSNというスポーツチャンネルで語っている映像がこちら
大袈裟にしたくなかったからサラッと話したんだと言っていたブレンデン。
彼の告白に父は
(愛しているよ。ゲイだと聞いたからと言って何も変わらないよ)
と言いブレンデンを力一杯抱きしめてくれました。
ブレンデンは同じ悩みを抱えている人たちの力になれればと2009年にスポーツネットワークのインタビュー記事で自分がゲイである事を公表しました。そのカミングアウトから1年後の2010年に彼は交通事故で帰らぬ人となってしまったのです。
ブレンデンの思いをつなげるために
ブレンデンの死後、彼の父ブライアンと兄のパトリックが中心となってスポーツ界でのHomophobia(同性愛者や同性愛に対する偏見や憎悪)をなくしていこうというプロジェクトYOU CAN PLAYを立ち上げました。
photo from YOU CAN PLAY Facebook
NHLには30チームが所属しているのですが、毎年各チームから1名アンバサダー(大使)を選出し、そのアンバサダーを中心にHOCKEY IS FOR EVERYONEを合言葉に各チーム様々な形でサポートをしています。(チーム各々で活動の内容は違いますが、インタビューなどでプロジェクトの趣旨をアピールしたり、特別なイベントを行ったりしています)
photo from NHL.COM
カナックスの「プライドナイト」は2月28日!大使はアノ1000ゴール男!
カナックスのサポートゲーム「プライドナイト」は2月28日に行われます。
そして、大使を務めるのは大記録を達成したアノ選手!!
まずはその大記録の瞬間をご覧ください
そうです!カナックス史上初の通算1000ゴールを達成したHenrik Sedin(ヘンリック・セディン)が大使を務めます。
そして、カナックスの選手たちはゲーム前のウォーミングアップ時にナント!!!!
As Henrik Sedin revealed on After Hours, #Canucks will celebrate #HockeyIsForEveryone on Feb 28. Team will wear special warm-up jerseys. ? pic.twitter.com/lqLdtIfYDS
— Vancouver Canucks (@Canucks) February 5, 2017
こんな特製・プライドユニフォームで現れチーム全員でLGBTQをサポートする予定になっています。
その他、NHLのオフィシャルサイトでは各チームのロゴがレインボーに彩られたプライドTシャツなども販売しています
photo from NHL OFFICIAL SHOP
(写真左はカナックスロゴバージョンTシャツ)
その他のチームのサポートの様子はNHLオフィシャルサイト内「HOCKEY IS FOR EVERYONE」からご覧になれます
トレードなどで出入りが激しいNHLで2000年のNHL入り以来ずーーっとカナックスでプレイしているヘンリック。そんなミスターカナックス!!ヘンリック・セディン率いるカナックスを応援しに行きましょう!!!!
photo from Vancouver Canucks Facebook
Vancouver Canucks
Web:https://www.nhl.com/canucks
チケット:http://tickets.canucks.com/?utm_source=cdc_nav&utm_medium=referral
ホームゲーム会場:Rogers Arena(800 Griffiths Way,Vancouver)
最後に
近年、スポーツ界でもカミングアウトをする選手が出てきています。苦悩し、もがき、考え抜いた末に勇気を振り絞って打ち明けた人たちに、心ない言葉を浴びせる人もいます。そういうのを目にした時、悲しくなりませんか?
私はホッケー大・大好きなのですが、ホッケーを知らない、またはそんなに興味ないな〜という皆さん!試合を見に行くことだけが全てではありません。これらのNHLのプライドゲームの数々が差別や偏見のない世の中になるための「気づき」のイベントになるように心から祈っています。小さいことから、自分のできることから始めましょう!